農業自動化の
メリットと課題

ここでは、スマート農業の目的と、メリット・デメリットを解説していきます。スマート農業を始めたいけれど踏ん切りがつかない方は、下記を参考に取り組んでみてくださいね。

農業の課題と向き合うスマート農業

スマート農業は、ロボット技術やICT技術を活用し省力化を可能にする農業のことです。つまり、先端技術を取り入れて作業能率をアップし、人手不足に対応したり、農地拡大に役立てたりする農業を指しています。海外でもAgTechなどとして、スマート農業を取り入れる生産者が増えています。

スマート農業を取り入れる目的

スマート農業を取り入れる目的は、デジタル技術を利用して人手不足や生産性といった問題に対応するためです。国内では生産者の高齢化進んでおり、農林水産省によると令和2年2月1日時点で65歳以上の農家が69.6%を占めています。39歳以下の農家はわずか4.9%に留まり、70歳以上の農家が全体の51.1%と過半数以上を占める結果に。

高齢化が著しく、若者の担い手が不足している日本においては、デジタル技術の活用は避けては通れない道だといえるでしょう。持続可能な農業を目指すには、新規就農者を増やし、世代間のバランスの均衡化を図る必要性があります。

輸出に対応して販路を拡大

所得が向上しているアジア地域などでは、食品の需要が拡大しており、第三国からの輸入が増えています。高まる海外需要を取り込んで販路を拡大できるように、作業能率をアップできるスマート農業に注目が集まっています。農林水産物や食品の輸出機会を増やすためにも、デジタル技術の活用を検討してみませんか。

スマート農業を取り入れる
メリットとは?

省力化ができる

スマート農業を取り入れるメリットは農業を省力化することで、人材不足をカバーできる点にあります。上述した通り、農家の高齢化が著しいため、体力の限界を迎えて現役を退く農家は増えています。従来人の手で行っていた作業を自動化できれば、高齢になっても続けやすい環境が整います。また、労働環境が改善することで若い就農者が増え、後継者問題の解消にも繋がるでしょう。

品質の向上が図りやすい

スマート農業を取り入れると、技術に左右されずに一定の品質の作物を育てられるようになります。従来の勘や経験に頼った方法では、作業者によって品質が変わってしまうため、売上を左右する恐れがありました。しかし、スマート農業でデジタル技術を活用すれば、気候による収穫量の予測ができ、余分な人件費をかけずに済みます。

原価率を抑えられる

作物を販売するまでには労働費・地代・物財費などが発生しますが、手作業の負担が大きいほど労働費がかさみます。スマート農業を取り入れて作業能率を上げて自動化できる範囲を広げれば、原価率を抑えられるほか、農地を拡大して利益を上げることも可能です。

スマート農業を取り入れる
デメリットとは?

農業ロボットの導入コストが
高い

スマート農業を取り入れる際は、農業ロボットやデジタル技術の導入費用がかかります。自動化する作業範囲が広いほどコストはかさみ、数百万円から数千万円の導入費用がかかるケースも珍しくありません。コスト面で導入が難しい場合は、農業ロボットのリースを利用するなど、導入費用を抑える方法もあります。

作業にばらつきが生じる

農業ロボットは、品種や圃場状態によっても作業能率や仕上がりが異なり、状況によってはすべてを自動化できないケースもあります。農業ロボットによっては6割の収穫率のケースもあるため、人の手が必要となる場面も出てきます。また、農業ロボットのデータ形式やソフトウェアは各メーカーによって様々で、標準化されていないという側面も。長期的な視点で導入するメーカーを検討する必要があるでしょう。

原価率が低い経営を目指そう

農業ロボットを導入すると省人化できるため、人件費を抑えられます。また、人手不足問題を解消できるようになり、農地拡大で収益の向上を目指せるでしょう。今の経営スタイルで原価率の高さや人手不足で悩んでいるなら、スマート農業を取り入れてみませんか。

スマート農業の基本情報を
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