ここでは、アスパラガスの収穫ロボット・収穫機について紹介していきます。作業負担を軽減するために、収穫ロボットの活用を検討してみませんか。
自動野菜収穫ロボットを開発しているinahoが、2019年10月に千葉県幕張メッセで開催された「次世代農業EXPO」に展示したのが、アスパラガス収穫ロボットです。農家と一緒に開発しており、スマートフォンから操作するという無人の収穫機。
設定ルートの自動走行や、ビニールハウス間の移動、AIによる収穫適期の判別などが可能で、収穫カゴがいっぱになると利用者のスマーホフォンに通知されます。大きな特徴は、ビニールハウス内に白い線を設置するだけで自動走行ができること。夜間でも走行可能なので収穫作業の負担が大きく軽減されます。
全長125㎝、重さ約65㎏とコンパクトで、1回2時間の充電で6時間まで連続稼働ができます。家庭用のコンセントから充電できるため、使い勝手がよく人手不足に貢献しています。初期費用・メンテナンスはすべて無料で、市場取引価格から算出した収穫量の一部を利用料として支払うシステムとなっていますが、一般販売はされていません。
RaaSモデルによる自動野菜収穫ロボットを中心に、生産者向けサービスを提供しているinaho。野菜の収穫作業など、人による判断が必要な農作業のAI化やロボティクス化を推進しており、農業経営の課題解決を目指すベンチャー企業です。今後も日本の農業が抱える課題に挑戦しつつ、オランダに拠点を開設してグローバル展開も目指しています。
会社名 | inaho株式会社 |
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問い合わせTEL | 0467-67-0561 |
本社所在地 | 神奈川県鎌倉市御成町11−2 ヤノヤビル 2F |
URL | https://inaho.co/ |
長崎県では「長崎アスパラ」としてアスパラガスのブランド化を推進していますが、収穫作業は毎日行う必要があり重労働であることが栽培面積の拡大を阻んでいると考えられています。そこで、工業技術センターでは農林技術開発センターと共同でアスパラガス自動収穫ロボットシステムの開発を実施しました。
アスパラガスは、通常長さだけで収穫時期を判断しますがが、成長が早く1日に10㎝以上成育する時期もあります。規定の長さに満たないもの、長すぎるものは商品価値がなくなるため、毎日の収獲ができるもの、長時間駆動できるものが求められていました。
アスパラガスは長さのみで収穫可能の判断ができるため、認識センサを開発し、レーザーを投光して収穫対象を判断します。試作を行いながら、収穫実験が行われました。
アスパラガス収穫ロボット実験の結果、1本あたり8.5秒という収穫速度、収穫できた確率は84.6%となりました。人が1日に収穫する本数は2000本なので、その3倍のスピードを目標としていましたが、アスパラガス収穫ロボットは、計算上6000本を14時間10分で収穫することになります。
なお、まだ実験段階であり、今後は実用化を目指して実証試験を行っていく予定です。まだ想定価格は出ていません。
地域産業の技術開発支援機関として、企業ニーズに基づいた技術相談や研究、試験などを行っています。ほかにも、産学官連携事業の推進などの先導的技術開発にも取り組んでいます。
会社名 | 長崎県工業技術センター |
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問い合わせTEL | 0957-52-1133 |
本社所在地 | 長崎県大村市池田2-1303-8 |
URL | https://www.pref.nagasaki.jp/section/kogyo-c/ |
アスパラガスは成長が早く収益性が高くため、栽培面積を増やしたい農作物です。しかし規定の長さより成長してしまうと出荷できなくなるため、収穫は毎日行う必要があり、人手不足によって栽培面積を増やせないという課題があります。そのためにアスパラガス収穫ロボットが一般販売されれば、収穫の問題がほぼ解決することが期待されます。
アスパラガスの自動収穫ロボットは、開発されてはいるものの、まだ一般販売はされていません。一部製品は初期費用無料、収穫高に合わせて費用を支払うことで利用できますので、検討してみてはいかがでしょうか。