ここでは、りんごの収穫ロボットの開発事例を紹介しています。りんごは一つひとつ手作業でもぐため、時間も労力もかかるもの。農家の負担を軽減させるために、果実収穫ロボットの開発が行われています。
「果実収穫ロボット」は、農研機構・立命館大学・デンソーが共同開発しているロボットです。自動走行車にけん引されたロボットが2本のアームで果実を収穫。人が収穫するときとほぼ同じ速度で収穫ができます。ディープランニングで熟度を認識し、成熟期に達した果実のみを判定して収穫するため、熟す前の果実が収穫される心配が少なくなります。
果実収穫ロボットは2020年12月時点でプロトタイプを開発した段階で、販売時期は未定です。果実の熟度や収穫までできる収穫ロボットはこれまで開発されていないため、販売価格は見当がつかない状況となっています。
果実を収穫してコンテナが一杯になると、空コンテナに交換して収穫を自動継続する機能が搭載予定です。一個あたり11秒の収穫ペースと、人と変わらない速度で収穫できます。
果実収穫ロボットを農研機構・立命館大学とともに共同開発している「デンソー」は、1949年に設立されて以来、製品やシステムを提供し続ける老舗メーカーです。主に自動車部品を製造しており、世界でも有数のシェアを誇っています。35の国とエリアに拠点を構えており、事業を通して環境問題に取り組んでいます。
会社名 | 株式会社デンソー |
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問い合わせ | https://www.denso.com/jp/ja/contact-us/ |
本社所在地 | 愛知県刈谷市昭和町1-1 |
URL | https://www.denso.com/jp/ja/ |
展示会出展実績 | DEBSO Robotics Expo,国際ロボット展,ロボデックス ほか |
りんご生産者が抱える問題としては、農家の高齢化や労働力不足が挙げられます。りんごを生産するには手間ひまがかかるため、労働負荷が大きくなる傾向があります。外観を向上させるために果実を回転させて日に当てたり、一つひとつ傷がつかないように収穫したりと時間と労力が必要です。特に、収穫時には熟度を見極める必要があるため、作業を省力化しづらいという課題を抱えています。
とはいえ、近年ではロボット開発が進み、熟度センサーを搭載した果実収穫ロボットの開発が行われています。人手不足に悩まされている現場では、果実収穫ロボットを導入するのも一つの手です。
労働人口の減少にともない、国内ではりんごの収穫作業を自動化できるロボットの開発が相次いで進められています。人手不足に悩んでいるなら、近い将来に販売される収穫ロボットの導入を検討してみませんか。導入費やメンテナンス費用は発生しますが、人件費が節約できるうえに、人手不足問題を解消するきっかけになります。