いちごの収穫ロボット・収穫機

ここでは、いちご収穫ロボット・収穫機について紹介していきます。いちごの収穫は中腰での作業が多いため、体力の限界を感じている農家さんはぜひ参考にしてみてくださいね。

いちご収穫ロボット
「ロボつみ」

アイナックシステムのロボつみ
引用元HP:マイナビ農業
(https://agri.mynavi.jp/2022_02_28_185180/)

「ロボつみ」は、アイナックシステムが開発した自動いちご収穫ロボットです。アームに搭載されたカーボンファイバー製のハサミが、いちごを傷つけずに収穫。AIが色づきから熟度を判断し、適した状態のいちごを収穫します。通路幅900mmで設置されたハウスを前提にしており、自走式のロボットが自動で収穫作業を進めます。アームは斜め上からも収穫できる仕様で、玉受けネットが設置されている品種においても、スムーズな収穫を実現しました。

「ロボつみ」の性能や価格は?

ロボつみは、2022年4月より福岡県内から予約受付を開始しています。11月に納入を予定しており、全国販売については未定となっています。大きなタイヤをつけているので、防草シートの段差にも対応可能。有人監視が不要なため、夜中から早朝にかけて自動収穫できるようになります。農家の手が届きやすい価格にこだわって製作されており、収穫ロボットの導入費用を抑えられます。ただし、公式ホームページ上では販売価格は公表されていないので、詳しくはアイナックシステムまでご確認ください。

  • タフネスアーム 要問い合わせ

「ロボつみ」の導入メリット

ロボつみは、2種類の特殊な刃でヘタを挟み、ヘタの真上でカットし収穫します。トレーに移すまでの間、実の部分に触れることがないため、いちごが傷みにくくなります。また、手摘みと異なり一切人の手に触れないので、品質を落とすリスクが低減。品質を保ったまま出荷することが可能です。将来的には、各都道府県が指定しているいちごの色づきを判断できるように、改良する予定となっています。

「アイナックシステム」って
どんな会社?

アイナックシステムは、制御盤製作・電気工事・PLCプログラム・PLC更新などの事業を行っているメーカーです。実家が代々いちご農家を営んでいる社長が、いちご栽培を応援したいと2019年から「いちご収穫ロボット」の開発を続けています。

会社名 株式会社アイナックシステム
問い合わせTEL 0942-48-0451
本社所在地 福岡県久留米市東合川4丁目1-1-101号
URL hhttp://www.inaksystem.co.jp/
展示会出展実績 関西農業Week

いちご収穫ロボット
「イチゴ収穫ロボット」

シブヤ精機のイチゴ収穫ロボット
引用元HP:農研機構
(https://www.naro.go.jp/laboratory/iam/urgent/urgent100/069789.html)

イチゴ収穫ロボットは、シブヤ精機と独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構が共同開発した収穫ロボットです。搭載されたCCDカメラ3台により、果実の着色や位置、切断位置や傾きを測定しています。色味具合の判定の基準値は各農家で設定でき、各々の基準を満たすいちごのみを収穫します。また、収穫したいちごはトレーに収容され、満杯になると自動で次のトレーに排出。収穫精度は60~65%で、いちごの収穫作業を容易にします。

「イチゴ収穫ロボット」の
性能や価格は?

イチゴ収穫ロボットは、画像処理装置を搭載しているので、通路側から果実収穫を自動で行うことが可能です。収穫にかかる処理時間は1果あたり9秒で、夜間や早朝に稼働させられます。販売価格は公式ホームページに掲載されていませんが、本体価格とは別に、ロボット移動用のプラットホームの敷設費用が発生します。敷設費用については、農園3,000㎡あたり300万円前後かかる見通しです。

  • イチゴ収穫ロボット 要問い合わせ

「イチゴ収穫ロボット」の
導入メリット

イチゴ収穫ロボットは、カメラにより果実の着色度を判断し収穫を行うため、夜間に稼働することが可能です。収穫割合は6割程度ですが、人がいない夜間に作業の大部分を進めるので、出荷ピーク時に深夜に起きて収穫作業を始める手間がなくなります。また、夜間に稼働すると、照明条件が一定なので果実を判断しやすくなるというメリットがあります。夜間収穫に加えて人の手で触らないため、いちごの表面の温度を上げずに済み、品質を保ったまま出荷できるでしょう。

「シブヤ精機」って
どんな会社?

シブヤ精機(旧エスアイ精工)は、平成23年4月に静岡シブヤ精機とエスアイ精工が合併してできた会社です。いちご収穫ロボットは旧エスアイ精工が製造しており、平成23年1月に第4回ロボット大賞サービス部門優秀賞を受賞しました。現在はシブヤグループの選果・選別システムや品質検査システムなどを製造する会社として活躍しています。

会社名 シブヤ精機株式会社
問い合わせTEL 053-421-1214
本社所在地 静岡県浜松市東区篠ヶ瀬町630(浜松本社)
URL https://www.shibuya-sss.co.jp/index.html
展示会出展実績 自動認識総合展ほか

いちご生産者が抱えている収穫の課題

いちごは収穫作業に手間を要するため、高齢の農家が体力の限界で引退するケースが少なくありません。出荷ピーク時には深夜から収穫作業が始まり、パック詰め作業が終わるまで丸一日作業時間を要するケースも。いちごの生産を続けていくうえで、人材の確保や作業の効率化が大きな課題となっています。手摘みを止めて収穫から運搬までを自動化できれば、中腰での作業が少なくなり、負担を軽減できます。また、夜間のうちに収穫作業を進められるので、農家が行う収穫作業が少なくなります。高齢者でも栽培を続けやすい環境が整うため、将来の農業経営を担う就農者の確保に期待が持てるでしょう。

まとめ

いちごの収穫は気温が高くなると傷んでしまうため、夜中の2時頃から収穫作業が始まります。選定やパック詰めを含めると想定以上に時間を要するので、収穫作業を自動化できるのは大きなメリットだといえます。収穫作業を自動化すると、寝不足や疲労を溜めたまま作業を進めずに済むようになり、過酷な労働環境の改善に繋がるでしょう。

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