収穫

耕うんから育成まで、苦労したすえに作物が実った時には感動もひとしお。しかし、素早く収穫を行わないと時期を逃してしまう恐れもあります。スピーディーに行いたいけれど、丁寧にやらなければ傷つく恐れもあるし…とお悩みの事業者さんも多いでしょう。

そこで昨今では、収穫を助けてくれる農業ロボットが登場しています。今回は既に実用化されているものから研究段階のものまで、詳しくまとめてみました。

収穫ロボット
「トマト収穫ロボット」

Panasonicの公式HPキャプチャ
引用元HP:Panasonic公式HP
(https://holdings.panasonic/jp/)

収穫用農業ロボットとして代表的なのは、Panasonicが開発した「トマト収穫ロボット」。これは既に国内の農園に導入され、農家での実証実験が続けられています。同社はこれまでに医療福祉や家電、社会インフラ業界におけるロボスティクス開発に進出しており、その技術力やノウハウが惜しみなく活かされた製品と言えるでしょう。

「トマト収穫ロボット」の性能や価格は?

適切な収穫度を画像認識によって判断するというこちらの機器は、収穫すべき実を判断すると動作経路を決定し、収穫作業用の先端部分を近づける仕組み。現在は6秒に1個のペースで収穫が可能です。価格に関してはいまだ性能が未知数な部分もあり、公開されていないよう。今後より一層活用が広まることが期待されますね。

  • トマト収穫ロボット 要問い合わせ

「トマト収穫ロボット」の導入メリット

トマト収穫ロボットの導入メリットは、まず10時間以上の連続稼働ができるため、長時間人の手を空けられるところ。しかも夜間にも稼働可能ですから、通常作業がしにくい時間帯であっても無理なくトマトの収穫を続けられます

作業スピードだけ見れば人の方が速い、と思われる方もいるでしょうが、休まず動き続けられる、というのがトマト収穫ロボットの魅力です。

「Panasonic」ってどんな
会社?

大手電機メーカーとして知られるPanasonic。冷蔵庫やエアコンといった家電のイメージも強いですが、近年はスマート産業をはじめとするロボット事業にも力を入れており、人とロボットが助け合う社会を作るべく積極的な取り組みを行っています。

会社名 パナソニックホールディングス株式会社
問い合わせTEL 06-6908-1121(大代表)
本社所在地 大阪府門真市大字門真1006
URL https://holdings.panasonic/jp/

収穫ロボット「きゅうりの自動収穫ロボット」

アグリストの公式HPキャプチャ
引用元HP:アグリスト公式HP
(https://agrist.com/)

2023年秋に発売が予定されている注目の収穫ロボットが、アグリスト株式会社が開発した「きゅうりの自動収穫ロボット」。同社が拠点とする宮崎県の地元農家の声から生まれたというこちらのロボットは、ハウス内に設置したワイヤー上を移動するため地面にレールを設置する初期工事が不要。余分な茎を切り取る作業まで機械が請け負ってくれます。

「きゅうりの自動収穫ロボット」の性能や価格は?

アグリストのきゅうりの自動収穫ロボットは、ぬかるみや落ち葉をはじめとする障害物も避けつつ稼働させられるのが強み。価格は少々高額な設定となっていますが、導入後の収穫量増加や人件費削減などと照らし合わせるとむしろコスパが高い可能性もあるかもしれません。

  • きゅうりの自動収穫ロボット 1,500,000円(予定)※税表記なし

「きゅうりの自動収穫ロボット」の導入メリット

きゅうりの自動収穫ロボットの導入メリットは、やはり「人手不足の解消が期待できる」ところでしょう。人件費を削減できるのはもちろんですが、そもそも人を雇おうと思ってもなり手がいない、という問題も近年の農家では生まれがち。

しかしこの農業ロボットを導入すれば、少ない人数で効率よくきゅうりの収穫を行えます。1日12時間、夜間も稼働可能なため、寝ている間に任せたいといったニーズにも応えてくれるでしょう。

「アグリスト」ってどんな
会社?

アグリストは、宮崎県新富町に本社を置く地域密着型のロボット開発企業。AIを活かしたスマート農業事業をメインに行っており、ロボットから収集したデータをAIで解析し、ビッグデータ化するというようなAI事業にも対応しています。

農業課題の解決に重点を置き、有用なロボットを開発するだけでなく、農家におけるロボットの在り方についても深く考えている会社です。

会社名 AGRIST(アグリスト)株式会社
問い合わせTEL 記載なし(メールにて対応)
本社所在地 宮崎県児湯郡新富町富田東1-47-1
URL https://agrist.com/

収穫農業ロボット開発事例(inaho)

inahoの公式HPキャプチャ
引用元HP:inaho公式HP
(https://inaho.co/)

研究段階の製品としては、inaho株式会社が開発している「アスパラガスの収穫ロボット」があります。こちらは農家との共同開発により研究・改善が進められており、収穫適期の作物を画像認識で判断し自動収穫するといった仕組みです。自動走行は、ビニールハウスの間に白い線を設置するだけでOK。

今のところ12秒に1本程度の収穫を想定したロボットとなっています。

「アスパラガス収穫ロボット」の性能や想定価格は?

アスパラガス収穫ロボットは、上記の性能に加え夜間でも7時間まで稼働が可能。家庭用コンセントでの充電に対応した機械なので、比較的気軽に導入を検討できるのではないでしょうか。

  • アスパラガス収穫ロボット 要問い合わせ

「inaho」ってどんな会社?

inahoは、神奈川県鎌倉市に本社を置く、自動野菜収穫ロボットをはじめとした生産者向けサービスを提供している企業。佐賀県にも支店があり、これから農業を始めたい方への農業参入コンサルティングも行っています。個人・法人どちらにも対応しているとのことなので、ロボットに限らず農業に関するお悩みもぜひ相談してみてはいかがでしょうか。

会社名 inaho株式会社
問い合わせTEL 0467-67-0561
本社所在地 神奈川県鎌倉市御成町11−2 ヤノヤビル 2F
URL https://inaho.co/
展示会出展実績 スマート農業EXPO、農業weekほか

まとめ

収穫は、作物の品質を決める大事な工程。そのため、自力でやらないと不安、という生産者の方もいるかもしれません。しかし、今回ご紹介したように昨今ではAIを活用することで、細かく作物の状態を認識しながら作業を進められる農業ロボットも登場しています。

既に農家で活躍しているロボットもありますから、将来的な導入も含めてぜひ視野に入れてみてくださいね。

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