選別

収穫した作物に対する選別作業は、安定した品質の商品を供給する上で非常に重要です。しかし、人の手に任せると人件費がかかるほか、それなりのスキルを持つスタッフとして育てるには時間がかかります。そこで昨今では、データやプログラムを利用して選別作業を行う農業ロボットも登場。一体どのようなものなのか、詳しく見ていきましょう。

選別ロボット
「AP800シリーズ」

ニレコの公式HPキャプチャ
引用元HP:ニレコ公式HP
(https://www.nireco.jp/)

市販化されている選別ロボットとして挙げられるのは、株式会社ニレコが開発した外部検査用選果装置「AP800シリーズ」。これは収穫年や場所、判定員の個人差による基準値のズレといった要因を解決するため、プログラムされた判断基準によってメロンや桃、スイカなど外観が重視される果物の選別を行うものです。

元々は果実を想定した製品ですが、近年ではその有用性からキュウリやナス、トマトなどの野菜栽培においても活用されているそう。全国的な導入実績もあるので、初めて利用する方も信用しやすいのではないでしょうか。

「AP800シリーズ」の性能や
価格は?

6方向からの高精度撮影により、果実や野菜の状態を細かくチェック。色合いや傷、形状、サイズなどを瞬時に判断します。高寿命照明搭載&省電力で、末永く経済的に使用できるのも魅力です。価格は記載されていませんでしたので、公式サイトからニレコへお問い合わせください。

  • AP800シリーズ 要問い合わせ

「AP800シリーズ」の導入
メリット

AP800シリーズの代表的な導入メリットは、やはり「品質が安定しやすい」ところ。人の手による選別は個々の目利きスキルや判断力に関わってくるところもありますが、ロボットを使えば誰が操作しても一定の水準に基づいた結果を出してくれます。また、熟練のスタッフが揃っていない場合には、人による選別よりスピーディーに行える可能性も。速く、正確な選別に魅力を感じる農家向けと言えるでしょう。

「ニレコ」ってどんな会社?

株式会社ニレコは、1950年創業の老舗製造メーカー。プロセス事業や検査機事業をはじめ、印刷やフィルム関連のウェブ事業にも対応している会社です。長年培ってきた技術力とノウハウを活用して造られる機器たちは、いずれも様々な企業で活用されています。今回ご紹介したAp800シリーズも、同社の長年にわたる画像処理・解析スキルが発揮された製品と言えるでしょう。

会社名 株式会社ニレコ
問い合わせTEL 042-642-3111
本社所在地 東京都八王子市石川町2951-4
URL https://www.nireco.jp/

その他にも個人で「きゅうり
選別AI」を開発した
事例が!

選別機械は元々農業ロボットと称しても差し支えない性能のものが多いと言われていますが、AIを活用した事例としては「きゅうり選別AI」も存在します。これは静岡県できゅうり農家を営む小池誠さん(個人)が開発したもので、形や色合い、大きさなどの点からランク別にきゅうりの選定を行うAIです。

元々は自動車部品メーカーのソフトウェアエンジニアだったという小池さんは、Google DeepMind開発のコンピュータ囲碁プログラム「AlphaGo」がプロ棋士に勝利したのをきっかけに画像解析に可能性を感じたとのこと。そこで、Googleがオープンソースとして公開している機械学習用ソフトウェアライブラリ「TensorFlow」を用いた農業ロボットの開発を考えたと言います。

3年間の施策により、2020年時点の調査では8割程度きゅうりの判別に成功しているそう。今後は小型化を検討しているとの話もあり、更なる発展を期待したいですね。

まとめ

果実をはじめ、作物の選別はスキルと長い作業時間が必要だと言われてきました。しかし、データやプログラムを認識できる選別機械を使えば、安定した品質の商品をこれまで以上の量で出荷できる可能性もあるでしょう。人件費の削減も期待できますから、人手不足や人材育成に悩む農家の方はぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

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